ーはじめにー
ダイエットをしたことがある人の多くは、一度はプロテインを飲んだことがあるのではないでしょうか。プロテインは、その名のとおりタンパク質を摂取して筋肉をつけることのほかにも、肌や髪、骨などの健康を維持することに役立つので、ダイエットや美容に気を配る方にもってこいのサプリメントです。 しかし、トレーナーや管理栄養士の目線から見ると、「もったいない」プロテインの使い方をしている人が多いようです。そこで、今回はプロテインの基礎知識と、目的に合わせた効果的なプロテインの取り入れ方、選び方を解説したいと思います。■プロテインの基礎知識
プロテインを飲んだことがない人の多くは、「プロテインを飲むと太る」というイメージを持っているかもしれません。でも、安心してください。結論からいうと、「プロテインは太りにくい食品」です。 低カロリー・高タンパク食品の代表である鶏のささみは、100gで約105kcal、約23gのタンパク質を含みます。一方のプロテイン(参考「マイプロテイン Impactホエイプロテイン」)の場合、1食分で103kcal、タンパク質は21g。プロテインは、鶏のささみと同じくらい低カロリー・高タンパクの優秀な食品なのです。 しかし、飲むだけで太ることはないとはいえ、飲むだけでやせたり筋肉がついたりはしません。あくまでも、「食事でとり切れないタンパク質を補うサプリメント」という位置づけで使うのが正解です。■プロテインの種類
一般的なプロテインは、大きく3種類に分類されます。それぞれの違いは原料。牛乳が原料の「ホエイプロテイン」と「カゼインプロテイン」、大豆が原料の「ソイプロテイン」の3種類です。▪ホエイプロテイン
ヨーグルトやチーズをつくるときの副産物である乳清と呼ばれる上澄みの水分に含まれるタンパク質です。筋肉の合成に関わるロイシンというアミノ酸が豊富で、かつ水溶性で吸収が速いという特徴があるため、トレーニング後に素早くタンパク質を摂取したい場合におすすめです。
▪カゼインプロテイン
ホエイプロテインと同じく乳タンパクの一種ですが、ホエイプロテインと比較するとゆっくり吸収されるという特徴があります。そのため、就寝前に飲むことがおすすめです。そうすると、就寝中も血中にアミノ酸が供給され、筋肉の回復・成長を促してくれます。
▪ソイプロテイン
カゼインプロテインと同じように吸収がゆっくりで腹持ちがいいので、就寝前に飲む、あるいは間食にすることがおすすめです。ほかのプロテインと比べ、血流の改善や成長ホルモン分泌を促進して筋肉を成長させる働きを持つアルギニンというアミノ酸が豊富という特徴もあります。また、大豆特有の成分であるイソフラボンも含み、骨を丈夫に保つ、コレステロール値を下げる、新陳代謝を高めて肌や髪を健康に保つといった効果も期待できます。
プロテインを飲むタイミングはいつがベストか?
おすすめするプロテインの取り入れ方はいくつかあります。▪朝食にプラス
多忙なビジネスパーソンは、朝食を簡単なもので済ませがちです。そのため、1日3食のうちで朝食からのタンパク質の摂取量が最も少なくなる傾向にあります。時間がない朝でも簡単に用意できるプロテインを朝食に追加するだけで、1日に摂取が必要なタンパク質量を満たしやすくなります。
▪間食として
ダイエット中なのに甘いものをどうしても我慢できないという人は、お菓子をプロテインに置き換えてみましょう。チョコ味、バニラ味、イチゴ味などさまざまな種類があり、低カロリー・高タンパクのプロテインは腹持ちもよく間食に最適。また、トレーニングをしている場合にはタンパク質をこまめに摂取することが大切です。食事と食事の間の時間が長く空きそうなときには、間食としてプロテインを飲むことで筋肉の分解を抑えられます。
▪トレーニング後
トレーニングの直後は、タンパク質摂取の「ゴールデンタイム」!トレーニングで傷ついた筋肉が必要とするアミノ酸を速やかに供給するには、吸収速度の早いホエイプロテインが適しています。
▪就寝前
タンパク質合成を促して筋肉を成長させる成長ホルモンは、睡眠中に最も多く分泌されます。そのため、就寝1時間前くらいにプロテインをとることで、筋肉の成長をより促進させることができます。この場合は、吸収速度が緩やかなカゼインプロテイン、ソイプロテインがおすすめです。
■かえって不健康になる?プロテインの「もったいない」とり方
次に、かえってもったいない、効果が最大限に生かせないプロテインのとり方についてもお伝えしておきます。▪一緒に糖質をとっていない
糖質が完全な悪者だと思い込んで、できるだけ摂取量を抑えている人もいるようですが、それはもったいないことです。筋肉を効率的に成長させたいのなら、トレーニング後にプロテインと一緒に糖質をとることが大切です。なぜなら、糖質の働きにより、運動で使われた筋グリコーゲンを回復させて筋肉の分解を防いでくれるからです。
また、糖質をとると、インスリン(血糖値を下げるホルモン)が分泌されます。インスリンには、血中の糖やアミノ酸を筋肉に取り込んでタンパク質合成を促進する働きがあります。そのため、プロテインと一緒に糖質をとることで筋肉の成長がより促されるのです。ただ、一緒に過剰に脂質をとってしまうのは避けたいところです。トレーニング後は、おにぎりや和菓子など脂質が少ない食品で糖質をとるように心がけましょう。
▪プロテインを食事代わりにしている
ダイエットをしている人の中には、摂取カロリーを抑えようとして食事代わりにプロテインだけを飲んでいる人もいます。しかし、これは完全な間違い。健康な体の維持には、タンパク質以外にもビタミンやミネラル、食物繊維などさまざまな栄養素が不可欠です。摂取栄養素がタンパク質に偏り過ぎると、腎臓への負担増加、腸内環境の悪化などを招いてしまいます。体重を落としても不健康になってしまっては、本当の意味でダイエットが成功したとはいえないはずです。
どうしても朝食の時間がない、夕食の時間が遅くなってしまってがっつり食べるのがはばかられるといったときには、何も食べないよりはプロテインだけでも口にしたほうがいいかもしれませんが、日常的に食事をプロテインに置き換えることはおすすめできません。
■正しいプロテインの選び方
最後に、特にプロテイン初心者の人に向けて、プロテインの選び方をお伝えします。先に解説したように、原料別の特徴によって選ぶのが1つの方法です。また、プロテインにはタンパク質以外にもさまざまな栄養素が添加されているものもありますので、筋肥大や美容など、みなさんそれぞれの目的によって選んでもいいでしょう。そのためにも、選ぶ際にはきちんと栄養成分表示を確認するべきです。製品によって、添加されている栄養のほか、1食分のタンパク質量やカロリーにも幅があるからです。1日に摂取すべきタンパク質量は、特に運動をしていない人で体重1kgあたり1.0g、トレーニングをしている人で体重1kgあたり1.5~2.0gが目安です。自分がどれくらいのタンパク質をプロテインでとりたいのかを考え、選んでください。
また、ダイエット目的の人に気をつけてほしいのは、「ウエイトゲイナー」と呼ばれるプロテイン。これは、その名のとおり、筋肥大を目指している人が体重を増やすために飲む高カロリーのプロテインです。そのため、ダイエット目的の人が飲むとカロリーオーバーになり、体重が全然落ちません。
このように、原料別の特徴や目的によって製品を絞り込んだら、最後は「味」で選ぶことを推奨しています。プロテインを買って飲まなくなってしまう原因のほとんどは、「味が合わなかった」「味に飽きた」というものだからです。プロテインは大容量のものほど安くなるので、「どうせなら」と考えてまとめ買いしがちですが、それで味が合わなくて飲まなくなってしまってはもったいないですよね。最初は少量ずつ買って、気に入った味を探してみましょう。メーカーによっては1食分ずつ買える製品もあります。 サプリメントとはいえ、毎日飲むならやはりおいしく飲めるものがいいですよね。プロテインがおいしく感じられれば、トレーニングもダイエットもいっそう頑張れますよ。
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