ヨガの呼吸法の効果とは|NOA ONLINE YOGA &FITNESS

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■ヨガでは呼吸が大事!その呼吸法とは


深い呼吸には、身体に取り入れたエネルギーを隅々まで届ける役割があります。
また、呼吸を整えることは、体内のエネルギーをコントロールする目的もあります。


ヨガでは呼吸法を「プラーナヤーマ」と呼び、エネルギーを高めたり、逆にエネルギーを制御したり、身体や心のバランスを整えるために重要であると考えられています。


■ヨガの代表的な呼吸方法の種類


ヨガには様々な呼吸法がありますが、今回は5種類ご紹介します。


・完全呼吸法


基本の呼吸法となる完全呼吸法は腹式呼吸と胸式呼吸を使い、鼻から吸って鼻から吐く鼻呼吸で行います。
① ゆっくり息を吐く
吐くことに対して力まず、リラックスして息を吐きましょう。
全身の力が緩み、溶けていくようなイメージです。


② 息を吐ききる(腹式呼吸)
息が終わりに近づいたら、腹圧をかけて吐ききります。
お腹をへこませながら下腹部を圧迫し、会陰部を引き締め、つり上げるようにします。上半身に力を入れないように気をつけます。


③ 背筋を伸ばして、胸を開くように息を吸う(胸式呼吸)
背筋を伸ばし、下腹部はへこませたまま、胸に息を吸います。


・ハタ呼吸法


「ハ」は太陽、「タ」は月を意味しており、心身の太陽(陽)と月(陰)のバランスを整える呼吸法です。ヨガでは、右鼻は太陽、左鼻は月の気道と繋がっていると考えられ、左右の鼻からの呼吸バランスを整えることで、陰陽のバランスを整えます。


① 右手の親指を右の小鼻、薬指と小指を左の小鼻に当て、人差し指と小指を軽く眉間に当てます。左手で右肘を下から支えて安定させます。両鼻から息を吐きます。
② 親指で右の小鼻を押さえて塞ぎ、左鼻から息を吸います。
③ 薬指と小指で左鼻を押さえ、右鼻は解放して息を吐きます。
④ そのまま、右鼻から息を吸います。
⑤ 親指で右の小鼻を押さえ、左鼻は解放して息を吐きます。②に戻ります。
これを5分くらい続けます。


・ウジャイ呼吸法


ウジャイとは力の支配を意味し、気の流れをコントロールする呼吸法。
のどに負荷をかけて腹圧を高め、気の流れと呼吸機能を高めます。
上半身とのどに力を入れないことが大切なコツ、大切なポイントです。


① のどに意識を集中します。のどの力を完全に抜き、少し狭めます。
②「完全呼吸法」を行います。のどを狭めているため、空気の摩擦音が聞こえます。この音に意識を集中して呼吸を繰り返します。


・カパラバティ呼吸法


カパラバティとは光る頭蓋骨という意味で、肺や頭の空気が浄化され、すっきりする感じがこの名の由来です。腹筋・横隔膜・内臓などを強化します。
上半身に力を入れず、リラックスして行うことがコツ、ポイントです。


① 背筋を伸ばして座ります。お腹の動きを確認したい場合は、手を当てておきましょう。
② 鼻から息を吐きます。このとき、お腹に力を入れて瞬間的に引き締めます。
③ お腹の力を抜き自然に息を吸います。②に戻ります。
テンポよく10~20回繰り返します。


・シータリ呼吸法


シータリとは「涼しい」という意味を持ち、心身の気を鎮め、熱を下げてリラックスする呼吸法です。


① 舌先をストローのように丸い形にして、息を吸います。
② 口を閉じ、鼻から温かい空気をゆっくりと吐きます。①に戻ります。
これを10回繰り返します。


■ヨガの呼吸による嬉しい効果とは


(1) リラックス効果


呼吸を意識的に変える場合でも精神に良い影響を与えます。


呼吸法により、横隔膜の上下運動が大きくなると、その下に位置する内臓が刺激を受けます。内臓周辺には、副交感神経系の神経細胞が多く存在するため、ヨガの呼吸法により内臓がマッサージされると副交感神経の働きが活発になり、心身にリラックス状態をもたらしてくれるのです。


例えば、意識的に早く呼吸をすると緊張を高めたり興奮したりしますし、逆に意識してゆっくり呼吸することで、精神を落ち着かせることもできます。


(2) 自律神経のバランスを整える


イライラしたり不安や恐怖を感じているときには、呼吸は速くて浅くなり、時には止めてしまうこともあります。

わたしたちは無意識で呼吸を行っていますが、気持ちが穏やかでリラックスしているときには、ゆっくり深い呼吸を行いましょう。

呼吸器は自律神経や運動神経ともつながっているため、呼吸を整えることで自律神経を調整することができます。


(3) 便秘改善


便秘が改善され腸内環境が整えば、美肌効果・栄養吸収率アップなど、様々なメリットにつながります。

「自律神経の乱れ・ストレス・蠕動運動の低下」に起因するものは、ヨガの呼吸法によって改善が見込めます。
またヨガの呼吸法では背筋を伸ばした姿勢をキープしながら行うものが多く、姿勢を保つために多くの筋肉を使います。

すると、お腹周りの筋肉が徐々に鍛えられるため、排便に必要な筋力がついてきます。
また、横隔膜の上下運動で内臓がマッサージされ、腸の蠕動運動促進効果が期待できます。
内臓が刺激されることで副交感神経が優位となれば、身体はリラックスモードとなり、消化機能が活発になり、スムーズな排便へと体が準備を整えるのです。


(4) 血圧が上がるのを防ぐ


緊張やストレスなどにより、血管が硬く弾性の低い状態が続けば、心臓や血管の負担が大きくなり、動脈硬化症などの恐ろしい病気につながりかねません。
血液は、心臓を構成する心筋の収縮によって大動脈を通って送り出されますが、その際に血管内の圧力が高まります。この時、血管壁の弾力性が低く圧力を逃がせない状態だと血圧は上昇します。


ヨガの呼吸法により副交感神経が優位になると、血管の平滑筋が緩み、血管の弾性も高まります。ヨガの呼吸法を取り入れることで、しなやかで健康な血管をキープすることができます。


(5) 血行が良くなる


深い呼吸によって新鮮な酸素を大量に体内に取り込むことで、血液中の酸素が増え血液が浄化されます。

また、普通の「胸式呼吸」では、健康な人でも全身の血液の「半分」がお腹にたまると言われています。深い呼吸によって横隔膜を上下に動かすことで、お腹にたまった血液が動くため、血液の循環が良くなります。

実際に深くゆっくり呼吸を行うことで血液の循環がよくなることは、すぐに実感できると思います。


-終わりに


呼吸法は仕事をしている時や家事をしている時、もちろん座ったままでもできるので、ぜひすきま時間に取り入れてみてください。ヨガの呼吸を身に付けてゆったりと深い呼吸へ、心身ともに健やかになりましょう。

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