▪ブガルー誕生の地、シカゴの歴史
シカゴの街には、アメリカ南部よりアメリカ建国時に農業などの労働を担っていたアフリカ系アメリカ人が、1914～1950年にかけて次々に移入しました。ブガルーは当初、シカゴのアフリカ系アメリカ人コミュニティ内のソーシャルダンスとして、それまでのダンスとは違った新しいものとしての魅力を持っていました。地元のアフリカ系アメリカ人の若者が、伝説的なシカゴラジオDJハーブ「クールジェント」ケントが主催する地元のレコードホップでブガルーを踊っているのを見て、「ブガルー」をリリースするというアイデアを得ました。
1966年、カリフォルニア州オークランドの地元ダンサー、ラリー・トンプソンは、ブーガルーのソーシャルダンス、ジェームズ・ブラウン、フレッド・アステアに影響を受け、ブーガルースタイルを組み立てました。
▪アニメーションスタイルは映画の模倣！？
当時のダンサーがレイハリーハウゼン（ Ray Harryhausen）のストップモーションダイノラマアニメーション映画に出てくる、恐竜のような生き物を再現し模倣した動きをし始めました。1970年代は、アニメーションの動きにコミカルなアプローチでこのスタイルを革新し、まるで時間が止まったような動きと停止で「ダイムストップ」と呼ばれるテクニックが生まれました。その模倣され映画の映像はこちらです。
▪ロボットダンス？
1964年、ジョン・マーフィーというダンサーが、1954年のSF映画「Tobor the Great」で登場するロボットの影響を受け、ロボットの動きを模倣し、様々な学校のタレントショーでこのロボットを真似たダンスを披露しました。1972年、ジョン・マーフィーはブガルーのダンスグループ「The Black Messengers」を結成し、スタイルとしてブガルーが認識されていきます。
映画などのアニメーションを模倣することで新しい動きでファンク、ソウルの要素を持ったブガルースタイルを革新し、「フリーズ」や「ストップ」はこの時に、ステップの一部として以上の意味を持ち、ブラックメッセンジャーズグループのダンサーは、ダイムストップにハードな「ヒット（筋肉を振動させる）」を加え、この技術は、現代の「POP/POPING（ポッピング）」スタイルの前身とされています。
また、ソロではなく複数人のコンビネーションで見せることでより不可思議なダンスを「Strutting（ストラッティング）」と呼びますが、こちらもこの時期に発祥したスタイルです。
音楽の成長とともに、現在も踊られる様々なムーブがこの時代に次々と生まれているんですね！細かく言うと、地域毎であったり、まだまだ他にもたくさんのスタイルがあります。
▪エレクトリックブガルー
エレクトリックブガルーと呼ばれるスタイルは、POPIN'とブガルーを組み合わせたものです。1970年代半ばのダンスグループ、「The Electric Boogaloos」のスタイルとなり、彼らはまた、これらのスタイルを普及しました。後にポップと組み合わされたヒップ、膝、脚、頭のロールを利用して、ファンク音楽に合わせて踊る流動的な脚の動きが特徴のスタイルとされます。
メンバーのブーガルーサムとその弟であるポッピン・ピートはダンスをやっている方は聞いたことがある方も多いのではないでしょうか？彼らの活躍はこのポップとブガルーを組み合わせたスタイルを確立させました。
▪まとめ
ストリートダンスがムーブメントとなった80年代には、メディアはしばしば総称して「ブレイクダンス」という言葉を使いました。しかし、それはストリートダンススタイルの傘用語として誤って使用されていました。本来は、ストリートダンスのスタイルの中で、多様なサブカルチャーが存在し、それぞれが独自のアイデンティティを持っていたということです。ブレイクダンスは、東海岸にそのルーツを持ち、ブレークビーツとヒップホップの影響を大きく受けました。
ポップ、ロック、ブーガルーは、西海岸で発祥されたスタイルでした。当時、西海岸の多くの異なる地域は、それぞれが彼らの背後にある独自の豊かな歴史を持つ、独自の異なるスタイルで知られていました。
こうした多くのスタイルが互いに影響しあい、さまざまなテクニックやムーブが生まれました。
こうしたスタイルの差は明確に分類されるよりも、時に混在し、要素としてスタイルに持ち込まれたり、さまざまな形で現在も踊られています。
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