--はじめに
「冷え症」といえば、寒い冬の季節になるものだと思われるかもしれませんが、実は暑い夏の季節に冷えの症状に悩む人も意外と多いのです。今回は夏の冷え性について詳しく説明したいと思います。
■ 夏なのに?冷え性が起こりやすい原因とは
(1) 外と室内の温度差
冷房の効いた室内に長時間いると、体は体温を維持しようとして血管を収縮させます。その結果、血の巡りが悪くなり体の末端である手足から冷えていきます。冷房の効き過ぎる場所は避ける、長袖を1枚羽織る、靴下を履くなど、体を冷やしすぎないよう工夫しましょう。
また、夏だからといって入浴時にシャワーだけで済ませることも多くはありませんか?
湯船につかると血流が良くなり、体を温めることにつながりますので、夏こそ湯船で体を温めましょう。
(2) 服装
あまり重ね着すると、少し動いたときに汗をかいてしまい逆効果になります。足首、首筋の2つは温度調節をする上で大切なので、その2つを冷やさないこと。
また、ラフになりすぎずに涼しくする着こなしは、メッシュや透け感素材、シルクなど素材感が決め手になります。
進化した機能性素材も味方になります。
(3) 体を冷やす食べ物や飲み物
形でいうと小さいもの、丸いものは体を温め、大きいもの、細長いものは体を冷やします。成分では、水分の少ないものやナトリウム(塩)を含むものは体を温め、水分の多いものやカリウムを含むものは体を冷やします。
例えばジャガイモとナスを比べてみると、ジャガイモは茶色くて丸く水分量が少ないので体を温め、ナスは紫色で細長く水分が多いので体を冷やします。
冷たい飲み物には砂糖や糖質が多く含まれるものも。
ジュースやスポーツドリンクで砂糖を取り過ぎると、腸内環境の悪化や不眠症につながるリスクも懸念されています。
さらに、アルコールは肝臓に大きく負担をかけてしまいます。
大量飲酒が続くと他の臓器にも悪影響が出たり、アルコール依存症になる可能性もありますので、適切な飲酒量を心がけましょう。
■ 夏冷え性の症状
冷え性の典型的な症状としては、手足の冷えが知られています。しかしそれだけでなく、鼻水やのどの痛み、頭痛といった風邪に似た症状から、全身のだるさや疲れやすさ、食欲不振や下痢などの消化器障害、イライラ感、肩こり、腰痛、肌荒れ、生理不順など、人によってさまざまな症状がみられます。
夏の冷え性の引き金となるのが、エアコンによる冷房です。
とくに中高年になると、動脈硬化や血管の老化などから血液の流れが悪くなるうえ、皮膚感覚がにぶくなってエアコンの冷気に気付かず、症状を悪化させてしまうこともあります。
■ 冷え予防!血行を改善するヨガポーズ
キャットアンドカウのポーズは背骨の骨格をの位置を矯正してくれます。内臓の多くは背骨にぶら下がっていますので、背骨の位置が強制されることで内臓の位置も元の正しいところへ戻ります。それによって圧迫されていた血管が解放され、血流が改善します。
■ カラダを温める食べ物や飲み物を知っておこう
寒い冬は、体を温める食物を積極的に食 べるようにしましょう。漢方医学の陰陽論では、体を冷やす食物は、その外観が青・白・緑の「冷色」、体 を温める食べ物は同じく、赤・黒・橙の「暖色」 としています。その食物の含有カロリーとは関係 なく、その食物に含まれる「気」が多いと陽性食物といえるようです。
「塩」は、カロリー「0」なのに、体を温める力が 強力です。
よって、今のように暖房が普及していなかった約50年前までの東北地方の人々は、大量 の塩分(1日約28g)をとって、寒さをしのいでいたのでしょう。
■ 足元を温めるだけで変わる!夏冷え対策にオススメのグッズ
足を温めて、血管を拡張させることでリラックスが促されます。特に、足は内くるぶしの上や膝の裏に大きな血管があるので、その部分を温めるとよいでしょう。
また、表面積が大きいふくらはぎを直接温めることも効果的です。
レッグウォーマー、スリッパ、足元専用のヒーターの他に、腰から下をスッポリ包むタイプのもあります。
長時間離席せずに座ったままの状態のときに適しています。
表面の布地の素材は、綿キルトや毛布生地などメーカーによってさまざまです。
内側は綿が入っていて温熱効果が高い作りになっており、着脱は前面ジッパータイプや面ファスナー仕様のものがあります。価格はメーカーや製品にもよりますが、7,000円〜10,000円程度で販売されています。
--終わりに
いかがだったでしょうか。皆さんも夏も冷え対策を心掛け、自律神経を整えてみてください。