■肩こりが起こる原因とは
普段の生活から意識はしてないと思いますが、頭の重さは5〜6キロあると言われておりそんな重い頭を支えているが、首と肩です。日本人は欧米の人と比べると、頭が大きいわりに首から肩の骨格や筋肉がきゃしゃにできているため、肩こりを起こしやすいといわれます。首と肩の周辺には、さまざまな筋肉があります。これらは重い頭や腕を支えて立っているだけで、緊張し続けています。緊張が続くと筋肉が疲れて疲労物質がたまり硬くなります。それが血管を圧迫して血液の循環を悪化させたり、末梢神経を傷つけたりして、こりや傷みを起こします。また、血行不良になると、筋肉に十分な酸素や栄養が供給されず、筋肉に疲労がたまり、ますます筋肉が硬くなることから肩こりの原因になると言われています。
■ヨガが肩こりに効果的な理由とは
肩こりの解消には、血流の改善やストレッチ効果のあるヨガがおすすめです。そもそもヨガは、筋肉にじんわりと働きかけるストレッチ効果や、ゆったりした深い呼吸を行うことで、全身の血流や気の巡りをアップさせる効果があり、体の機能を向上させます。これを肩こり改善に応用すれば、主にコリ固まった首や肩まわりの筋肉をほぐしていくことが可能になります。さらに、血行を促すポーズは背中をスッキリと整え、だるさを解消することができます。
■ヨガマットがなくてもできる!立位でできる簡単ポーズ
(1)鷲のポーズ
鷲のポーズは、こり固まった筋肉をほぐす効果があるため、肩こりだけではなく腰痛の予防や改善にも効果があるといわれています。また、肩や腰の力を抜いてバランスを保つことが必要なポーズのため、集中力アップにもつながります。
<ポーズの方法>
1. 肩幅に足を開いて立つ
2. ひざを少し曲げて、足を組むように左足を右足の上に重ねる
3. 両腕を前方に伸ばし床と平行にして右腕を左腕の上にのせるようなイメージで腕をクロスさせる
4. 腕をクロスさせたまま肘を90°に曲げて、右手の甲と左手の甲を合わせる
5. 腕を曲げたまま手首をひねり、手のひらを合わせる
6. この姿勢のまま15~30秒間制止する
7. 左右を入れ替えて1〜6を行う
(2)牛の顔ポーズ
肩甲骨周辺をほぐし、肩の可動域を広げるポーズです。肩甲骨を動かすことで周辺の筋肉がほぐれ、深呼吸でゆっくりとした動きから気持ちをリラックスさせることができ可動域が広がって血流がよくなるため肩こりの改善が期待できます。
また、肩こりだけでなく、二の腕の引き締めや冷え性改善といった効果も期待できます。
<ポーズの方法>
1. 片腕を上げて肘が正面を向くようにしたら、背中側へ回す
2.反対側の腕は下から背中へ回して、体の後ろで両手を繋ぐ
3.息を吸いながら引っ張り合い、息を吐きながら力を抜く
4.左右の腕を入れ替えて同様に行う
(3)背中合掌ポーズ
背中合掌ポーズは、肩甲骨を大きく動かすため、肩の血行改善につながるので、肩こりに効果的なポーズです。背中で両手のひらを合わせる背合掌のポーズをすると、肩甲骨が中央に寄るように大きく動くとされています。そのため、肩甲骨を大きく動かして筋肉をほぐす「肩甲骨はがし」の役割を果たすことができます。
現代ではパソコンを利用することが増えていることから、あまり動かさない肩甲骨やまわりの筋肉が硬くなっている場合が多いといわれています。肩甲骨はがしを行うと普段使わない筋肉を動かし、ほぐすことに繋がります。背合掌のポーズは、代謝アップや猫背の改善、眼精疲労の回復、バストアップなど、さまざまなメリットが得られるエクササイズです。
<ポーズの方法>
1.背筋を伸ばした状態で、手を背中の後ろに持っていき両手の手のひらを合わせます。
2.そのままの状態で息をゆっくり吸い、 息を吐く時には合わせて肩甲骨を寄せるようにして胸を開きます。
3.ゆっくり呼吸をしながらこの動作を繰り返します。
■自宅で寝ながら出来るポーズ
(1)ウサギポーズ
「うさぎのポーズ(シャシャンカーサナ)」は、 30秒ほどで行うことができる簡単なポーズで頭頂のつぼ「百会」を刺激するポーズ。頭を心臓より下に向けることで、頭の重みから解放され、肩回りの緊張をゆるめます。また頭部への血流を促し、眼の疲れをとります。
脳がリラックスすることで、睡眠の質が上がり、翌朝スッキリと目覚められるでしょう。
主な効果として
1.目の疲れや頭痛・肩こりの改善
仕事で毎日パソコン作業をしているという方はもちろん、現代人はスマホの普及によって画面を見る時間が増えています。そのため、眼精疲労やそれに伴う頭痛や肩こりに悩まされている方も少なくありません。うさぎのポーズは眼精疲労を癒やす効果が期待でき、目の疲れや肩こりの解消によって、思考や表情がすっきりとします。
2.リラックス効果
うさぎのポーズは、自律神経の乱れにも作用するといわれています。副交感神経のスイッチを入れることでリラックス効果を得られるため、ストレスや不眠症などの解消が期待できるのです。
そのため、うさぎのポーズは就寝前に行うことで、良質な睡眠につながるといわれています。
3.おなかや背中の引き締め効果
うさぎのポーズは、腹部のインナーマッスルの強化にも効果が期待できます。継続することで、おなかや背中の引き締め効果にもつながります。
<ポーズの方法>
1. 正座の状態からスタートする
2. 額を床につけ、両手を腰の後ろで組む
3. ゆっくりと息を吐きながら頭頂部を床につけて、お尻を持ち上げる
4. 腰がひざの上にくるような姿勢になったら、脚全体で床を押して下半身を安定させる
5. 息を吸いながら、組んだ両腕を天井方向へ伸ばす
6. 深い呼吸を30秒ほど繰り返す。頭頂部への程良い刺激や、両腕や背中が伸びていることを感じながら行う
7. 息を吐きながら両腕を腰の後ろに戻し、ゆっくりと元の姿勢に戻る
(2)下を向いた犬ポーズ
疲労した時にこのポーズを取れば、疲れが取れ、心身ともに生気がよみがえります。また、かかとの痛みを取り、足首を強くし、脚の形を整える事で肩甲骨周辺のコリを和らげるのに効果があり、肩の関節炎を直す。横隔膜がひきあげられ、心臓の鼓動も整い多くの効果が期待出来ます。さらにヘッドスタンディングに自信のない人は、このポーズを練習するといいとも言われ上体を下げることで上半身が十分に伸びて、心臓に負担をかけることなく、上体の血行がよくなる。脳細胞を若返らせて、疲れを取り除き、脳に生気を与えます。
<ポーズの方法>
1.両膝を床につけ、手の位置は肩の真下よりも手のひら一枚分遠くに置く。
2.息を吐きながら手で床を押し、万歳をする要領で背中を伸ばす。お尻を手首から遠くに引き離すように持ち上げる。 そのまま5呼吸ほどキープします。
3.視線は足の親指あたりの位置を見つめるように、軽くアゴを引き、首筋を伸ばす。そのまま5呼吸ほどキープ(かかとが床に付かずに腰が丸くなる場合は、かかとを上げた状態で軽くヒザを曲げ、腰を伸ばすことを優先)。
(3)魚のポーズ
魚のポーズは、胸を大きく開いて体を伸ばすという特徴があります。そのため、首や肩、背中の筋肉をほぐす効果を得られて前後の筋肉をほぐして首こりを解消
することができます。
<ポーズの方法>
1.仰向けの姿勢で両足を揃えて伸ばす。両手は下向き(手のひらが床を向く)に。
2.つま先を天井に向けながら両足の間に力を入れて、下腹を軽く引き締める。ヒジで床を押して背中を反らせる。
3.頭頂を床につけたらノドと胸を大きく開きながら、深くゆったりとした呼吸を5呼吸ほど繰り返す。
4.頭をすべらせるように床に下ろし、両手を伸ばしたら、脱力したままポーズの余韻を感じる。
さいごに
肩こりは放置させると肩の痛みから頭痛や眼睛疲労の原因にもなるといわれているため、慢性化させないことが大切です。今回紹介致しましたヨガは肩こりの改善以外でもストレス軽減や筋肉の緊張緩和、血流の改善など、多くの効果が得られる点はヨガの大きなメリットです。激しい運動やストレッチが苦手な方でもヨガなら手軽に行えるため、辛い肩こりにお悩みの方は、5分程度で行うことができるポーズもありますので、寝る前や朝など今回ご紹介したヨガのポーズを行ってみてはいかがでしょうか。